糖尿病の患者さんは今の治療が適切かどうかを判断するのにHbA1cという検査値を用います。
日々の血糖測定キットを使って測る血糖値はそのときの血糖値しかわかりません。血糖値は食事や運動によって変動が大きいので、測るタイミングで大きく変化します。
それに比べHbA1cは血液中の糖化ヘモグロビンを測定します。ヘモグロビンは透過すると寿命が尽きるまで戻ることはありません。HbA1cは過去1~2ヶ月前の血糖値を反映しているため、日々の変動が少なく糖尿病治療の有効性を判断する基準となっています。
そのHbA1cの基準は年齢によって異なるのを知っていましたか?
64歳以下の目標は HbA1c 7.0未満
64歳以下の糖尿病患者のHbA1cの目標値は7.0未満です。
糖尿病の怖いところは糖尿病性腎症などの合併症です。腎臓を悪くしたら透析が必要になりますし、網膜症になると失明になってしまいます。
そのため合併症を起こさないための目標値として7.0未満を目指して食事や運動、薬の調節を行います。
65歳以上の高齢者では患者の健康状態で目標値が変わる
では65歳以上の高齢者では血糖コントロールはどれくらいなのか。
65歳以上になると血糖コントロールの目的が少し変わります。合併症を起こさないことは第一ですが、副作用を起こさないように安全にコントロールすることが大事になってきます。
64歳以下の人は満足に生活できて、食事もちゃんと食べれる人がほとんどです。
しかし65歳以上になると認知症を患う人が出てきたり、介護や支援が必要になる人もいます。そうなると若い人に比べて低血糖のリスクがぐんと上がります。
そのため65歳以上では低血糖を起こさないために患者さんの状態に合わせてHbA1cの目標値が変わってきます。さらに下限も決められます。

複雑ですね…。
特にインスリンを出す薬剤を服用しているかどうかで目標が変わってきますので要注意です。
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