高齢者にメトホルミンを投与するかの判断基準

糖尿病治療薬のひとつであるメトホルミン。

ビグアナイド系薬に分類されるメトホルミンは単剤だけでなく様々な合剤もありよく処方される糖尿病治療薬です。

ビグアナイド系はインスリン抵抗性改善薬として、肝臓からのブドウ糖放出の抑制および筋肉を中心とした末梢組織でのインスリン感受性を高める作用を有している。SU薬やチアゾリジン薬と同等あるいはそれ以上の血糖降下作用を示すが、単剤では低血糖を起こしにくく、また体重も増えにくいという利点がある。

糖尿病診療ガイドライン2019より

ただ、メトホルミンには乳酸アシドーシスという副作用があります。

乳酸アシドーシスは初期症状として嘔吐・下痢・腹部膨満・腹痛といった消化器症状があり、最悪の場合昏睡から死に至ります。

この乳酸アシドーシスを起こさないためにもメトホルミンを処方するときに注意すべき患者さんの基準を識者たちが記しているのでそれをまとめました。メトホルミンの適正使用に関するRecommendation

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1)腎機能障害患者(透析患者を含む)

メトホルミンは透析患者には禁忌です。

それだけでなく、eGFR(mL//1.73m^2)<30の患者さんも禁忌となっています。なので検査値のチェックを忘れずに。

また検査でヨード造影剤を投与した場合、投与後48時間はメトホルミンを再開してはいけません。

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2)脱水状態

メトホルミンは脱水状態の患者には禁忌です。

そのためシックデイでは脱水になる危険性があるのでメトホルミンの服用は休止しなければなりません。

また利尿剤やSGLT2阻害薬など身体の水分を減らす薬と併用する場合には乳酸アシドーシスに注意する必要があります。

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3)心血管、手術前後、肝機能障害などの患者

ショック、心不全、心筋梗塞などの心血管系、肺機能に高度の障害のある患者さんにはメトホルミンは禁忌となっています。これは酸素が不十分な状態だとグルコースが乳頭に分解され、乳酸アシドーシスの危険性が高まるためです(嫌気的解糖)

肝機能が低下していると乳酸が代謝されないため乳酸アシドーシスのリスクが上がります。

手術前後の患者さんは飲食物の摂取が制限されるので可能ならメトホルミンの投与は休止し、インスリンなどで血糖管理を行います。

4)高齢者

高齢者は内臓の機能が低下しています。

低下の度合いは個人差がありますが、75歳以上の高齢者は腎機能や肝機能の検査値に注意する必要があります。

ただし若年者でも乳酸アシドーシスになることがあるので年齢が75歳に満たなくてもシックデイの対応などはちゃんと伝えないといけないです。

参考HP

メトホルミンの適正使用に関するRecommendation

糖尿病診療ガイドライン2019

メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg添付文書

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